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コアアウトカムセットの公開


日本地域理学療法学会では、アウトカム評価指標の標準化に向けた事業(以下、本事業)を2021年に立ち上げ、臨床現場で使用できるコアアウトカムセットの整備・普及に取り組んでいます。コアアウトカムセットとは、特定の分野における研究で測定および報告されるべき、最小の合意されたアウトカムセットと定義されていますが、近年では臨床現場での使用も考慮されたものが報告されています。
この度、本事業のワーキンググループで議論を重ね、『要介護高齢者に対する地域理学療法のコアアウトカムセット』が完成しました。

コアアウトカムセットの内容

<但し書き>
※1バランス:評価物品の確保が難しい、または時間的制約のためBBSが実施困難な場合、Short Form of the Berg Balance Scale(短縮版BBS)を考慮する
※2持久力:6分間歩行テストを評価するスペースが確保できない場合、2分間ステップテストを考慮する
※3認知機能:認知症のスクリーニング評価をする場合はHDS-R、軽度認知障害の評価をする場合はMoCA-Jを使用するなど、目的に応じて使い分けることを推奨する
※4歩行:10m歩行テストを評価するスペースが確保できない場合、2ステップテストを考慮する
※5移動能力:TUGを評価するスペースが確保できない場合、Rivermead Mobility Indexを考慮する
※6生活空間:施設などの入所環境では、生活空間を適切に評価すること難しいため「推奨なし」とする
※7介護負担感:施設などの入所環境では、介護負担感を適切に評価すること難しいため「推奨なし」とする

コアアウトカムセットの使い方

今回、作成したコアアウトカムセットは、介護保険領域の臨床現場で広く使用できることを重視し、以下の条件を考慮して作成しています。

1.どのような目的で使えばいいのか?
 コアアウトカムセットに含める評価指標は、研究目的ではなく、日常臨床でアウトカム(主に効果判定)として活用できることを重要視し、国際生活機能分類(ICF)の心身機能、活動、参加と地域理学療法にとって重要なアウトカムを含めています。

2.どのような対象者に使えばいいのか?
 コアアウトカムセットの適用者は、介護保険領域の通所(通所リハビリや通所介護)、訪問(訪問リハビリや訪問看護)、入所サービスを利用している要介護者とし、対象者の重症度は、障害高齢者の日常生活自立度の準寝たきり以上(ランクJ、もしくはA)を想定しています。

3.どのような臨床環境で使えばいいのか?
 理学療法を実施する環境によって推奨すべき評価指標も異なるため、臨床環境別(通所、訪問、入所)に選定作業を進めました。コアアウトカムセットを使用する際は、但し書きも一緒にご確認ください。





本事業のワーキンググループのメンバーは以下の通りです。

尾川達也:日本地域理学療法学会 理事(事業担当理事)
石垣智也:日本地域理学療法学会 理事
合田秀人:鹿島病院リハビリテーション科(日本地域理学療法学会評議員)
斎藤崇志:国立障害者リハビリテーションセンター研究所障害福祉研究部(日本地域理学療法学会評議員)
脇田正徳:関西医科大学リハビリテーション学部(日本地域理学療法学会評議員)
杉田 翔:株式会社Luxem